美しいってなに?
この時期になると、大学の卒業式を思い出す
男子はみんなスーツなのに、女子だけ袴を着る
好きで着ているんだろ、って思う人もいると思うけど、私は正直周りに合わせて着ることにした
友達たちはみんな袴のレンタルを予約していたから、私も借りないと、当日みんなに混ざって写真を撮ったりできないと思った
実際、袴姿をお互いに撮りあったり、後ろ姿を写したりして、私がスーツや私服で行ったら浮いていただろうな、と思う場面がなんどもあった
着付けは、早い人で式の開始時間の3時間前で、始発に乗っても間に合わないような集合時間
私も、着付けが終わったのは式が始まる1時間以上前で、まだキャンパス内に男子はいなかった
友達たちと写真を撮りあったけど、当時の私は過去最高に太っていて、バリバリ二重アゴだった
その日の夜、友達たちから送られてきた写真を見て、病みまくったのをよく覚えている
友達は皆細くて、喜んで化粧をして、楽しそうだった
でも私は、体型の違いや顔の造形の違いを見せつけられるのが、苦痛で仕方がなかった
とにかく自分に自信がなかった
顔がパンパンなことも、お腹がくびれどころかたるんでいることも、喜んで化粧をできないことも、ダメなことだと思っていた
写真を撮ることが好きな友達が、他の友達を被写体にして自由に撮影していたけど、その日、私の写真を撮ることは一度もなかった
今思えば、ただ私の顔が、その子好みの顔じゃなかっただけだと思えるけど、その当時はすごく気にしてしまった
私が太ってるから、ブスだから、写真を撮られないんだと信じていた
もし私のように、自分の外見に自信がモテない人がいたら、ぜひこの動画を見てみてほしい
私は号泣しながら見た
それは、彼女たちが羨ましかったから
私も、こんな風に考えられるような社会で、前向きな教育を受けて育ちたかった
日本で同じような動画を発表したら、きっとすごく叩かれると思う
それはこの子たちが証明している
このバンドがテレビで紹介された時、ネットの反応は見られたものじゃなかった
「ブスが好きそう」「ファンもブス」「皆、この動画見て四人よりましだと思って自信つけてるんだろ」などなど
日本には、ごく限られた美の基準しかない
痩せてて、幅広平行二重で、横顔がEライン
私が、初めて自分の横顔にコンプレックスを持つようになったのは、ハロプロまとめサイトを巡回していた時だった
(モー娘。たちが所属するハロー!プロジェクトの略)
ももちの横顔が、すごく整っていて綺麗だって賞賛するコメントを見て、自分の横顔を鏡で確認した
その時、生まれて初めて自分のおでこが出ていなくて、目が前に出てて、顎が出てないことを知った
それ以来、自分の顔に自信が持てなくなり、顎にヒアルロン酸を入れることを本気で検討した(金がなくて諦めた)
つまり、美の基準があるから、そこから外れているブスが生まれる
美の基準なんてなければ、美人もブスもいないと思う
現に、日本でも今と昔では美人の基準が全く違う
昔美人だとされていた顔は、今ではブス認定されるだろうし、今の美人は、昔はブスだと思われていたかもしれない
世間や、社会が決めた美の基準に当てはまっていないことなんて、全く問題ない
美の基準なんて、自分で決められる