【書評】完全自殺マニュアル
小学生のときから、自殺願望があった
家の漂白剤を飲もうとしたり、ベランダから飛び降りようとしたり、入浴中に、ふとシャワーのホースで首を締めようとしたことが何度かあった
大人になってからも、生きるのが辛くて、数々の哲学書を読み漁ったが、救われることはなかった
でも死ななかったのは、死ぬのは怖い、ということと、生きなきゃいけない、という思い込みがあったからだと思う
しかし私は出会ってしまった
探し求めていた一冊に
それが、「完全自殺マニュアル」である
この本では、クスリ(薬局で買える市販薬、処方箋が必要な薬、麻薬)、飛び降り、首吊りなど様々な自殺方法を、苦痛、手間、遺体の綺麗さなどの観点から評価しながら紹介している
首吊り死体が見つからないための、富士の樹海の地図まで載ってるから親切なことこの上ない
しかし、私は「完全自殺マニュアル」の優れた点は、他にあると思う
それは、自殺を一切否定しないことだ
人間は、自分の意思とは関係なく生を受けて、生きることを強制されている
生きる自由があるなら、死ぬ自由があってもいいじゃないか。親が勝手に産んだくせに、自分の意思で死ぬことは許さないなんて身勝手すぎる。いうのが私の持論だが、初めて肯定してくれたのがこの本だ
生きることに疲れたら、いつでも死んでいい
その方法も載っている
そんな本が手元にあるだけで、少し前向きに生きられるんじゃないかと思う
私はこの本を読んで、死にたい気持ちが収まった